消石灰
承平四(九三四)年頃の成立といわれる『和名抄』居処部培壁県の項には、石灰を説明して、石灰一名璽灰(以之波比)。
虫目白石を焼きて成熟し、冷して克く之を涜し砕きて灰となす也。
とあり、いささか文意の分明でないところもあるが、要するに原石を充分に焼いて冷却し水にひたして粉砕する石灰(「いしはひ」と発音する)の製造工程を示したものです。
そしてその表題から、これが外壁リフォーム材料として使用されたものであることはいうまでもありません。
ところでここで単に「石灰」と呼んでいる材料が、現在、正しくは消石灰と呼んでいるものであることは疑いを容れない。
なぜならば、もしこれを今日いうところの生石灰(原石を焼いたままの状態)とすれば、それは通常塊状で存在しなければならず、そしてこれを浸漬・粉砕して灰状とすれば、その過程で空気中の水分を吸収して自然に消石灰と化してしまうからです。